Windows 10では、Windows Subsystem for Linux (WSL)というアプリケーションで、VirtualBoxやVMwareなど別途仮想環境を準備しなくてもお手軽にLinuxを使えるようになりました。
初心者だと、「何のLinuxを入れればいいのかわからない」「コマンドわからないし、難しそう」などで最初の一歩が踏み出せない方の参考になればと思います。
Linuxディストリビューション一覧
一言でLinuxといっても、実はかなり多岐に渡る選択肢があります。
LinuxはDebian系、Red Hat系、Slackware系、独立系と分類されていて、以下に名称をまとめてみました。(2021/9/26現在)
Debian系
- Debian GNU/Linux
- ARMA aka Omoikane GNU/Linux
- Astra Linux
- Clonezilla
- Freespire
- gNewSense
- Kali Linux
- KANOTIX
- KNOPPIX
- Linspire
- MX Linux
- OpenMediaVault
- PureOS
- Raspberry Pi OS
- SLAX
- Tails
- Ubuntu
- Bodhi Linux
- Edubuntu
- elementary OS
- Gobuntu
- Goobuntu
- Kubuntu
- Linux Mint
- Peppermint
- Linux Lite
- Lubuntu
- nUbuntu
- Trisquel GNU/Linux
- Ubuntu Studio
- Xubuntu
- ChaletOS
- Voyager
- Zorin OS
Red Hat系
- Fedora
- Red Hat Enterprise Linux
- MIRACLE LINUX
- CentOS
- Scientific Linux
- Rocky Linux
- Berry Linux
- Maguey
- PCLinuxOS
- RedHawk Linux
- Oracle Linux
Slackware系
- Slackware
- Dragora GNU/Linux-Libre
- Plamo Linux
- Puppy Linux
- Yara OSX
- openSUSE
- SUSE Linux Enterprise Server
- SUSE Linux Enterprise Desktop
独立系
- Arch Linux
- Audiophile Linux
- EndeavourOS
- Manjaro
- Parabola GNU/Linux-libre
- SteamOS
- Gentoo Linux
- Google Chrome OS
- Chromium OS
- Sabayon Linux
- GoboLinux
- Tiny Core Linux
- Slitaz
- Tiny SliTaz
- Solus
- Android
- CBL-Mariner
引用元:Linuxディストリビューション
上記以外にもありますが、開発停止などで今はリリースされていないのもあります。
Linuxディストリビューションとは
そもそもLinuxディストリビューションとはなんぞや、ですよね。
ディストリビューション(Distribution)は、分布や流通を意味しています。
LinuxはもともとUnixを参考に作られたオープンソース(コードの中が自由に見れる)ソフトとして広まった歴史があります。そのため、多くの人が自作のLinuxを作り出しました。
GoogleのAndroidなどもそのうちの一つです。
たくさん種類はありますが、主流となっているグループはあります。
「Red Hat系」「Debian系」「Slackware系」というのを聞いたことがある人もいるでしょう。
名前と特徴だけ覚えておくと、自分のが求めるものも見つけやすいと思います。
Debian系
ボランティアが中心となって開発を進めているディストリビューションで、ユーザフレンドリーな思考のおかげでネット上で多種におよぶ情報を見つけやすいです。
以下がDebianの宣言ですが、好印象をもてますね。
引用:Debian 社会契約
1.Debian は 100% フリーソフトウェアであり続けます
2.私たちはフリーソフトウェアコミュニティにお返しをします
3.私たちは問題を隠しません
4.私たちはユーザとフリーソフトウェアを大切にします
5.私たちのフリーソフトウェア基準に合致しない著作物について
Debian フリーソフトウェアガイドライン (DFSG)
1.自由な再配布
2.ソースコード
3.派生ソフトウェア
4.原作者によるソースコードの整合性維持
5.すべての個人、団体の平等
6.目標分野の平等
7.ライセンスの配布
8.ライセンスは Debian に限定されない
9.ライセンスは他のソフトウェアを侵害しない
10.フリーなライセンスの例
Debian 社会契約
ここから派生して、ubuntuやLinux mintなどが出てきます。
RedHat系
仕事・商用をターゲットしているため、有償のディストリビューションが多いです。
ただし、全てが有償ではなく、CentOSとFedoraは無償で提供されています。
業務メインとして使うならばこちらを抑えておきましょう。
Slackware系
最も古いLinuxディストリビューションの一つです。
しかし、公式に配布されている状態が完成形となっているため、ソフトウェアの追加・導入やライブラリの管理など、ユーザの操作や判断が必要になってくるため、初心者には向いていません。
ただし、使うメリットも多いです。
■安定性 安定性を第一に考えられてパッケージ構成が組まれているため、公式パッケージ運用している分には、安定性とセキュリティについては安心できます。 ■セキュリティが堅固 安定性と同様に、セキュリティについても検証された後のリリースなので堅固で、総じてバグやセキュリティホールが少ない。 ■使いやすい 慣れている人にとっては、自分で簡単に、自分の望むconfigureオプションで、パッケージを作成することが可能です。
Linuxに対する知識と慣れは必要となります。
初心者向けのLinuxディストリビューション
Linuxディストリビューションを見る前に、まずは「Linuxを使って何をしたいか」をもう一度考えてみましょう。
そうすることで、導入するものが絞られてきます。
- WindowsやMacの代わりに使ってみたい
- サーバマシンとして使いたい
- セキュリティの勉強をしたい
- Raspberry Piで何かを作ってみたい
それぞれの用途・目的によって、向いているのもがあります。
早速紹介していきましょう。
【目的】WindowsやMacの代わりとして使いたい
いわゆる「普通のパソコン」として使いたい方には、Debian系がオススメです。
Linuxは動作が軽く、古いPCでもサクサク動かすことできます。
眠っているパソコンがあれば、とりあえずインストールしてみてもいいでしょう。
おすすめLinux No1 Ubuntu
ユーザフレンドリーなLinuxとして、最初に挙がるものがUbuntuです。
特徴としては、シンプルなデスクトップ画面であり、オープンオフィスなどが既に入っているため、インストールするとすぐに使うことができます。
日本語での説明も充実しているため、初心者に優しいです。
また、組織としての資金面も問題ないため、開発終了の危険性も低いでしょう。無償提供というのも素晴らしいですね。
使用感としては、慣れるまでは若干使いにくさを感じますが、Windowsと比べても遜色ありません。
UIは賛否両論ありますので、そこは個々人の好みになるでしょう。
後述のサーバ用途や、Raspberry Piで自作する目的でも使えます。
おすすめLinux No2 Linux mint
Ubuntuから派生したディストリビューションで、Windows、MacOS、Ubuntuに続いて4番目に使用されているOSです。
難しい設定が不要・洗練されていて、使いやすいことが特徴です。
MicrosoftOfficeに似た機能を持ったOfficeアプリケーションも付随しており、GIMPなどの画像編集ソフトも使うことができます。
また、日本語環境についても、インストール直後から表示・入力ともに問題なくスムーズに使うことができます。
おすすめLinux No3 elementaryOS
Ubuntu派生のOSで、Apple社のMacをリスペクトしたディストリビューションです。
ダウンロード時に価格に入力の画面がありますが、カスタム<クリックし、「0」を入力すると無料でダウンロードできます。
特徴として、動作が軽い・洗練されたデザイン・日本語対応で、Macユーザであれば違和感なく使えます。
おすすめLinux No4 ferenOS
Linux Mintをベースに作られたディストリビューションです。
WindowsやMacからのできるだけスムーズな乗り換えを行える環境をユーザーに提供しようとしており、ファイル移管ツール「Feren OS Transfer Tool」というものが備わっています。
WebブラウザにVivaldiを採用しているのも特徴です。
また、ユーザが使い勝手の良いWebブラウザをすぐにインストール出来るよう「Web Browser Manager」というツールがあります。
日本語環境については、設定画面で言語設定をすれば必要な日本語パッケージをインストールことができます。
日本語入力については標準でibusが入っていますが、これだけでは日本語入力ができません。そのため、ibusで日本語入力するためには「ibus-mozc」を自分でインストールする必要があります。
おすすめLinux No5 ZorinOS
elementaryOSがMac風だとすると、ZorinOSはWindows風のディストリビューションです(Mac風にもできます)。
UbuntuのUIが合わない場合、こちらを使ってみるのもいいかもしれません。
55カ国語に対応しており、日本語表示も問題なくできます。
Windowsからの移行を検討しているユーザーにオススメです。


おすすめLinux No6 Cloud Ready
学校でのリモート用に、Chromebookが配布されるようになってきました。
Chromebookには「Chrome OS」という、Chromium OSをベースにしたOSが搭載されています。
「それならChrome OSがおすすすめになるのでは」という事になるのですが、現時点で調べた限りでは仮想環境にインストールするのがほぼ無理そうということがわかりました。
どうにかChromebookの環境に近いものを実現させるために探した結果、Chrome OSと同じ、Chromium OSベースのCloud Readyがよさそうなため、おすすめとしています。
Chrome OSとの違いは以下となります。
・Androidが動作するか、Google Playストア対応の可否・・・Cloud Readyは両方NG。
・開発元・・・Chrome OSはGoogle、Cloud Readyはneverware。
・搭載端末のスペック・・・Chrome OS搭載PCは現状低スペック。Cloud Readyは搭載端末を選択できるため、高スペックにすることが可能。
【目的】業務用・サーバ用として使いたい
自宅サーバや、仕事・業務としてよく使われているディストリビューションです。
IT系の仕事をしたいと考えている方にお勧めします。
おすすめLinux No7 CentOS
安定的に使えるOSであり、企業のサーバーとして使われることが多いです。
仕事のためにLinuxを覚えたいという人や、Linuxエンジニアになりたいという人にはオススメです。
GUIでの操作より、CUIで操作に慣れるほうがいいですね。
ただし、CentOS8のサポートは2021年12月31日で終了することが発表されています。
そのため、CentOSを使いたいと考えている場合は、以下の選択をしなければならなくなりました。
- RHELに乗り換える。(おすすめはUbuntu)
- CentOS Streamに乗り換える。
- CentOS 7に留まるもしくは8から7にダウングレードする(CentOS 7は2024/6/30までサポートが続くため)。
おすすめLinux No8 Debian
Debianそのもの、というのもいいですね。
コミュニティにより運営されており、安定性に定評があります。
ただし、安定性を重視するため、古いパッケージが導入されるため、最新版のパッケージが必要な人には不向きです。
【目的】セキュリティを学んでみたい
セキュリティエンジニアやホワイトハッカーを目指すのであれば、こちらを導入しましょう。
おすすめLinux No9 Kali Linux
ネットワークシステムに対して、既知の脆弱性をついて侵入する「ペネトレーションテスト」に特化したディストリビューションです。
インストールした時点で多くのペネトレーションソフトが導入されているため、どのソフトがどのようなことをできるのか、など調べなくてはなりません。
セキュリティエンジニアになりたい方にとってほぼ必須となります。
kaliに導入されているツールを使いこなすことができれば、ペネトレーションテスト、セキュリティ調査、フォレンジック調査、リバースエンジニアリングなどの様々な情報セキュリティ業務の分野で重宝されるでしょう。
【目的】Raspberry Piで何かを作ってみたい
自作IoTで何か作りたい場合は、こちらがお勧めです。
ただし、別途Raspberry Pi本体や、作成する物によってカメラモジュールなどを購入する必要があります。
おすすめLinux No10 Raspberry Pi OS
Raspberry Pi の基本OSである、Raspberry Pi OS(旧Raspbian)です。
モニターやキーボードを繋ぎ、デスクトップPCとして使う場合は「Raspberry Pi OS with desktop」か「Raspberry Pi OS with desktop and recommended software」、SSHで接続する場合は「Raspberry Pi OS Lite」がよいでしょう。
Raspberry Pi OS with desktopはダウンロードサイズは約1GBで基本的なソフトウェアが入っています。
Raspberry Pi OS with desktop and recommended softwareはダウンロードサイズは約2.5GB、開発ソフトがいくつかインストール済みで、JavaやRuby、Pythonの環境が整っています。
Raspberry Pi OS Liteはダウンロードサイズは約0.5GB、最低限のソフトウェアのみインストールされており、コマンドで操作することになります。
まとめ
このように、目的によって選択するディストリビューションが変わりますね。
初めて触るのであれば、UbuntuやLinux Mint、業務であればCentOSがとっつきやすいのかなと思います。
それでは良いLinuxLIFEを(°▽°)















